そんな目で見ないでっ!
「メールした?」


教室に入るなり、友利が笑顔で尋ねてきたが、秋菜の顔を見て


「してないんだ」


とつまらなさそうに呟いた。


「だって、何てすればいいのか分かんなくて」


「何だっていいんだって!
秋菜からのメール、絶対待ってるよ!」


「…待ってないよ」


「待ってないはずないじゃん。
あんだけ秋菜にベタ惚れなんだもん、絶対待ってるよ」


友利が秋菜の手からバックを取り上げると、中から携帯を取り出した。


「ほい、メールしな!
何ならあたしが代わりにメールしてあげるよ?」


友利は秋菜に携帯を手渡し、覗き込む様に秋菜を見た。


「難しく考えないでさ、勉強頑張ってとかでいいんだし」


友利に言われ、まごまごした手つきでメールを打った。

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