そんな目で見ないでっ!
司からの返信メールを見たのは、テストが終わり帰り支度をしている時だった。

秋菜は愛してるの文字にドキッとした。

口で言われるのとは違い、消さない限り残りつづける文字に鼓動が早くなる。

友利が覗き込もうとしたので、秋菜は急いで携帯を閉じた。


「何何?見られちゃマズイの来てた?」


「そんなんじゃないけど…」


「やっぱ司君、待ってたでしょ?
秋菜がはっきりしないから、色々不安だと思うよ、司君だってさ。」


「そう、かな?」


「そうだよ。
だってさ、何の約束もないじゃん。
秋菜に好きな人出来たら、いくら司君だって何も出来なくなるわけでしょ?
そういう事考えたら不安になんない?」


秋菜は友利の言葉に納得したように頷いた。


「だから、会えない時はメールででも繋がってたいんだよ。
可愛いじゃん、司君」


友利はニッコリ微笑みながら秋菜を見た。

秋菜は少し困った様に笑った。
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