そんな目で見ないでっ!
「バスか電車で行けるとこ…」


司が地図とにらめっこしているのを、秋菜はちょっと複雑な気持ちで見ていた。

司に好かれていて素直に嬉しいけど、それに応える勇気があるのか分からなかったのだ。

年齢差は、大人になれば気にならないとしても、今の二人には大きな壁のように思える。

それを乗り越えてまで気持ちを貫ける程のパワーはまだ秋菜にはなかった。


「お!ここ良くねぇ?
バスで1時間半かかるけど、結構水とか綺麗っぽいし」


「えっ?」


「だから、ここ!
結構良さ気じゃねぇ?
ここにしよう!決まり!」


秋菜は司が無邪気にはしゃぐ姿を、ぼんやりと見ていた。


「場所も決まった事だし、次は水着だな」


司がニヤッとしながら見ていた事にも気付かず、秋菜は上の空だった。
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