そんな目で見ないでっ!
傷の手当をしていると、司が秋菜の手にキスをしてきた。


「ちょっ、な、何やってんの?!」


慌てて手を引っ込ると、司はまっすぐに秋菜を見て


「秋菜は俺のだから」


と言った。


「俺、待っててって言ったよな?
まだガキだけど、もう我慢の限界。
秋菜、俺のものになって…」


まっすぐに向けられる真剣な視線と言葉にドキドキしてしまう。


「な、何言ってんの…
そんなの無理に決まってんじゃん…」


目を反らしながら言うと司は


「ごまかすなよ…
秋菜だってドキドキしてんだろ?」


と迫ってくる。


「つ、司は弟みたいなもんだから、そんな風に見れるわけないじゃん」


苦し紛れにそう言った言葉に、司の動きが止まった。

悲しそうな顔をして肩を落とすと


「弟…か…」


と呟き黙り込んだ。
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