お嬢様は恋をしません。
* * *


時はすぎて2泊3日の修学旅行。




私たちは京都に来ていた。




結局、班員の残りは、オカくんとハヤミくんになった。




…同じクラスの人ってことぐらいしかわからないや。




「莉緒ー、今からお寺めぐりだよー」




間延びした声は私に向けられている。





「ん、知ってる」



「湊音くんテンション高いねぇ〜、私は眠くて仕方ないよ…」




夏織は目をこすりながらでろーんと、私にもたれてくる。




「莉緒〜…、今からどこ行くんだっけ…」




「金閣寺…?だっけ。プラン知らないや」




「そうだよ」




横からオカくんが教えてくれる。




視界の端で別の班が拠点を出発するのが見えた。




奏多だ…。




山森くんと、化粧や香水臭い女の子3人と笑って歩いていくのが見えた。




…もう、何期待してたんだろ。




寂しく思ってくれてたりとか、しないかなって。
< 102 / 139 >

この作品をシェア

pagetop