お嬢様は恋をしません。
そんなこと思ってたのに、全然そんなことない。
私なんか、いてもいなくても一緒だった、奏多にとって。
それだけでしょ?
それだけなのに、なんで。
なんでこんなにも、泣きそうになるんだろ。
ほんとに、好きみたいじゃん…。
「莉緒、行くよ」
湊音は私の手を引いた。
「う、うん」
班員のみんなが前を歩いている。
私たちは背中を追いかけて歩いた。
湊音の手はすぐ離れてしまったけど、湊音は少し振り返って私にデコピンした。
「考えすぎ」
湊音はそう言って笑うと、ポケットに手を入れた。
湊音なりの、優しさ。
そうわかって、口角が上がる。
「ありがと」
私はそう言って、湊音のカーディガンの裾を掴んだ。
暦の上では秋に入ったものの、まだ少し暑い。
私なんか、いてもいなくても一緒だった、奏多にとって。
それだけでしょ?
それだけなのに、なんで。
なんでこんなにも、泣きそうになるんだろ。
ほんとに、好きみたいじゃん…。
「莉緒、行くよ」
湊音は私の手を引いた。
「う、うん」
班員のみんなが前を歩いている。
私たちは背中を追いかけて歩いた。
湊音の手はすぐ離れてしまったけど、湊音は少し振り返って私にデコピンした。
「考えすぎ」
湊音はそう言って笑うと、ポケットに手を入れた。
湊音なりの、優しさ。
そうわかって、口角が上がる。
「ありがと」
私はそう言って、湊音のカーディガンの裾を掴んだ。
暦の上では秋に入ったものの、まだ少し暑い。