お嬢様は恋をしません。
奏多が助けに来てくれるはずない。




関係を切ったのは私の方。




だから、奏多に頼っちゃダメなんだ。





「そういえば、莉緒の携帯は?莉緒のだけ取られてなくない?」




「ごめん、多分さらわれたところで落としたの。




取られるも何も見つからなかったわ」




「そっか…」






すると、ガチャリと扉が開いて、気持ち悪い顔をした男が3人入ってきた。





「んー、やっぱ可愛いなぁ。



いいの連れてきたんじゃね?」




男は私の前にしゃがみ込んで、顎を持ち上げた。




強引に視線を合わせさせられる。




「これは、そそるな」




隣では夏織も同じことをされていて、湊音はもう1人の男に押し付けられている。





「…っ、触らないで」




「気の強い女の子だね。どうせ、助けなんかこないよ。



この場所、わからないだろうから」




そう言って口の端を持ち上げた。




気持ち悪い…。
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