お嬢様は恋をしません。
シュウさんはどこから出したか、わからない分厚い冊子を持っていた。



冊子というか、辞書…?




それを見ながら、ツラツラと話し続ける。





「内容としては、莉緒様が学校にいる間の護衛任務。



高嶋様は、莉緒様と同じ高校在学中とのことですので、日中の警護はよろしくお願いします」




「シュウ、続きは私の部屋でしましょう。



ここは、そろそろ掃除の時間でしょう?」



「そうですね、では莉緒様の部屋に移動しましょう」




シュウさんは分厚い冊子を閉じて、にっこり笑った。




赤い絨毯の引かれた長い廊下を端から端まで歩く。




「莉緒様のお部屋はここです。



隣がわたくしの部屋となっておりまして、その一部屋挟んだ部屋が高嶋様の部屋です」




そう言って西条の部屋を開ける。



ホテルのコンシェルジュみたいだなぁ。



西条の部屋は白とピンクのいかにも女子、みたいな部屋だった。
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