お嬢様は恋をしません。
「まず、そのためには無事にお家に帰らなきゃね。




2人とも何もされてない?」





「うん…」




「…だい、じょうぶ」






どうしてこいつはこんなにも。




私のことを思ってくれてるの…。




颯太のことも、知ってるくせに…。




どうして…。





「じゃあよかった。あとは逃げるだけだね」




「…っ、そうはさせねぇ。お前みたいなやつに負けるかよっ」




「2対1なの、忘れちゃったの?」





奏多は男に向かってもいつもの笑みで。






「っ…、下のやつらはどうした」




「え?入口の子達殴って走り抜けてきた。



てか、湊音!地元のやつに拉致られてんじゃねぇよっ!



探すの大変だったじゃんっ」




「ごめんごめん、だから、スマホに録音残しといて、よかっただろ?」




「そうだけどさっ、さらわれた現場に行ったら莉緒と湊音の携帯落ちてるしっ。




なんか、継続で録音されてたしっ」
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