お嬢様は恋をしません。
「よし、俺めちゃくちゃ働いてるじゃん」



「そういう問題じゃないでしょ。



さらわれるなって」




「ごめんごめん、俺以外は2人とも無事だからとっとと帰ろ」




仲よさそうに話す2人。




さすがいとこ。






「奏多、どうせ上に来るならした全員倒してから来てよ」




「多かったんだって。俺1人じゃ無理無理」





「うっせぇんだよっっ」





ひとりぼっちになって狂った男が奏多に殴りかかる。




湊音はそんなことを気にもせずに、夏織の縄をはずし始めた。




「莉緒は自分で外せるでしょ?」




「う、うん」





奏多は、走ってきた男を交わすと足をかけてこかした。




そのあと、起き上がった男の顔面を蹴り飛ばして気絶させた。





「弱」




「まあまあ、奏多が強すぎるんだって」




「まぁ、所詮暴走族か」





手の縄をはずした私は、手首をさする。





「3人とも、手首真っ赤だね。大丈夫?」
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