お嬢様は恋をしません。
「だから、もう一回。俺、あんま聞こえなかったんだけど」




あーも、ちゃんと腹くくれ、莉緒。




「…好き、奏多のこと。なんか文句ある?」



「…ある」



「…何よ」



「颯太のことはどうしたの。付き合ってんだろ」



「…フラれた。



私のせいだけど」



「は?」



「颯太が寝てる間に奏多に気持ちが傾いちゃったのに気づかれたの。


…だから、さっきごめんなさいって…ちょっ」




気づいたら、奏多に抱きしめられていた。



「なに?俺が独り占めしていいわけ?」



「…そうなんじゃない」



「ふっ、素直じゃねーのな」



「うっさい」



「まぁ、莉緒らしくていいかも」




そう言って、私を抱き上げてベットに運ぶ。




「ちょっ、なにすんのっ」



「何もしないよ。そこまでがっついてないし。



いや、まぁ…一緒に寝るくらいならいいかなぁって」
< 138 / 139 >

この作品をシェア

pagetop