お嬢様は恋をしません。
最後、ポツリと呟いた言葉は西条には聞こえていなかったようだ。
「とにかく。
奏多、準備しなさい。10分後に家を出る」
そう言って、西条はどこかに歩いて行った。
首をぐるりと回すとぼきぼきと音が鳴った。
「まだ寝たい…」
「諦めろ。莉緒のいうことは絶対。
それが労働時間外でも、だ」
「…はい」
俺は昨日、自分の部屋だと渡された部屋に置いた、カバンを開けて服を見繕う。
頭の色のわりには服は地味めだとよく言われたものだ。
「奏多、準備はできた?」
部屋の前で、イライラと足を揺する音が聞こえる。
「まだ5分も経ってねぇよ」
着替え終えて、部屋にある備え付きの洗面所で顔を洗い、部屋を出た。
「遅い。行くわよ」
なんだろ。女王、ご乱心。
「高嶋様。お気になさらないでください。
莉緒様もまだ寝起きなのです。
寝起きの機嫌の悪さはピカイチなのです」
「とにかく。
奏多、準備しなさい。10分後に家を出る」
そう言って、西条はどこかに歩いて行った。
首をぐるりと回すとぼきぼきと音が鳴った。
「まだ寝たい…」
「諦めろ。莉緒のいうことは絶対。
それが労働時間外でも、だ」
「…はい」
俺は昨日、自分の部屋だと渡された部屋に置いた、カバンを開けて服を見繕う。
頭の色のわりには服は地味めだとよく言われたものだ。
「奏多、準備はできた?」
部屋の前で、イライラと足を揺する音が聞こえる。
「まだ5分も経ってねぇよ」
着替え終えて、部屋にある備え付きの洗面所で顔を洗い、部屋を出た。
「遅い。行くわよ」
なんだろ。女王、ご乱心。
「高嶋様。お気になさらないでください。
莉緒様もまだ寝起きなのです。
寝起きの機嫌の悪さはピカイチなのです」