お嬢様は恋をしません。
部屋を出て、執事モードになったシュウさんに説明される。



それにしても、なかなかの苛立ちよう。



できれば朝は会いたくない。




シュウさんに連れられて、車の後部座席に乗り込む。




隣にはすでに西条が乗り込んでいて。




助手席にも誰かが乗っていた。




運転席にシュウさんが乗り込む。




「奏多。こいつがもう1人のお前の同僚。



佐伯湊音」




さえき…みなと…?



「あぁ、字面が女子の子じゃん。



俺最初名前だけ見て女だと思ってた」




俺がそういうと湊音は振り返った。



「よく言われるからいいんだけどさ…。



もうちょっとオブラートに包めない?」




爽やか好青年、高身長である佐伯湊音は、見た目によらず遊び人で、よく女が泣かされたというのを聞く。



きっと、昨日の夜も女の家に帰ったんだろうな。




「ていうか、新しいやつって奏多かよ」



「悪かったな、俺で」



「乙女を期待してた」
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