お嬢様は恋をしません。
不機嫌そうに窓の外を見つめている。



別に、断る理由もないので素直にはーい、と返事をしておいた。



あー、でも、みんなに誰だかわからなくなったとか言われそ。



…イメチェンだ、イメチェン。





車が走り出す。




「奏多。気をつけろよ?


莉緒オフの日でも外ではいい顔使うから」



「へぇー…」




女王様、徹底していらっしゃる。





「シュウ、今日は車で待ってていいわ」



「了解しました。護衛は全て湊音に任せます」



「任されまーす」





軽い返事をする湊音。



湊音はスマホを触っている。




10分ほどで近くのショッピングモールについた。



案外庶民的な店に連れてきてもらえてちょっと安心してる。




「莉緒案外優しいんだよ。



金銭感覚が庶民の奏多のことを考えて普段着を探そうとしてくれてるんだよ」



「そっか…」
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