お嬢様は恋をしません。
買ったものの袋を俺に差し出しながら、可愛くお願いしてくる。



表の顔ってすごいなぁ。




「ん」




俺は袋に手を伸ばす。




「ありがとう」




西条は嬉しそうに袋を2つ俺に渡すと、スタスタと前を歩いていく。



すでに湊音も袋を3つ持たされている。



やっぱ金持ちと庶民とじゃ一度に買う量が全然違うな…。




「さ、帰ろう。シュウが待ってるからね」





西条はものの1時間で大量の俺の服を選び終え、車に戻った。



そのあと、俺は西条の思いつきで結局今日髪の毛を染めることになり、美容院に連れていかれた。





黒くなった髪に違和感を覚えつつも、家に戻った。





「そっちの方が似合ってるよ。カッコいい」




と、表の西条に言われたのでそのかわいさに甘えて調子に乗ることにする。




んー、表の顔は普通に可愛いんだよなぁ。




言葉遣いも綺麗だし。
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