お嬢様は恋をしません。
本性表した途端、美人系の顔の影響で女王キャラが強調されるんだよなぁ…。




…ツンデレだと思おう。








その日から3日後の夜。



俺は西条の部屋に呼ばれた。




なんだろう。殺されるのだろうか。



働き始めてもないのにクビかな?




女王様の部屋のドアをノックする。



コンコンコン





「奏多です。入っていい?」



「いいわよ」




凛とした声が扉の向こうから聞こえてくる。



ドアを開けると西条は髪の毛を濡らしたまま、ソファに座って脚を組んでいた。



手には通帳。




「待ってたわ。これ」




そう言ってそれを俺に差し出す。



ん?何これ…。



通帳を受け取って、中を覗くと、庶民の高校生じゃ到底持っていないだろう金額が入っていた。




「それ、奏多のご両親の保険金と遺産ね。



その通帳に全部入れておいたから好きなように使うといいわ」



「へ…?」
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