お嬢様は恋をしません。
「そうなったら最悪シュウくんが車出してくれるでしょ?」



湊音は莉緒にネクタイを結んでもらいながら、笑う。




「…車で行ったら学校の子に引かれちゃうでしょう?ケンカ売ってるの?」



「ごめんごめん。そんな怒らないの。笑ってた方が可愛いよ」



「うるさい」




莉緒は湊音のネクタイを手際よく結び終えると、カバンを持って家を出る。



俺たちもそれに続いた。




天気はまあまあいい。



それこそ、莉緒が朝からずーっと日焼け止めを塗っていたくらいには。




「莉緒、今日の午後の予定は?」



「んー、別にないかなぁ。今日は家に帰って寝たいもの」



いい顔の莉緒は優しい顔で話す。




「湊音は何か、予定があるの?」



「んー、女の子に遊ぼうって誘われてるんだけど…。



眠いから断ろうかなって」




あー、後ろから見てると絵になるなぁ。



美男美女ってとこか…。




会話の内容はあんまりだけど…。
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