お嬢様は恋をしません。
きっと、今から行くところは俺にとっては引くほど場違いなところで、金髪な上に毛先ピンクの俺なんかが入ったら、浮くんだろうな。




そんなことを思いながら、西条の方を見る。



小さな顔に白い肌、目は大きいし、鼻は綺麗だし、唇ぷっくりだし、顔は申し分ない。



性格も、良さそうな子だし、多分仲良くやってくれるんだと思う。



じーっと、女の子の方を見つめていると、女の子は視線に気づいたのか、こちらに視線だけ向ける。




「何。なにか用でもあるの?」



ん?



「あ、いや」



「そう。ならそんなに見ないでくれる?


視線が痛い」




あれ?なんか。



思ってたのと違う?




「あ、すいません」



「それと、あなた勘違いしてるかもしれないけど。



あなたを私の客人として家に招き入れるつもりは到底ないから。



勘違いしないでね?世の中そんなに甘くないのよ」
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