お嬢様は恋をしません。
俺と時雨も男子たちに混ざって女子バスケのギャラリーに入る。



すぐに試合が始まった。




ジャンプボールは水野さんがするらしく、時雨も食い入るように見つめている。




投げられたボールは、水野さんが押し出して、見事に莉緒の手に収まった。




そのまま莉緒はマークされないうちにゴール近くの女の子にパスを出してすんなり2点入った。




ギャラリーから『おーっ』と言う歓声が上がる。




莉緒と水野さんは嬉しそうにハイタッチ。




この2人本当に上手いんだなぁ。




それから莉緒は小さめの体を生かして相手がドリブルしているボールをかすめ取ってそのままゴールへ一直線。



投げたボールはゴールで弧を描いて弾かれてしまう。




弾かれたボールは、相手チームの手に吸い込まれた。





「んー、惜しいなぁ」



「…今ボール持ってるヤツ、バスケ部だな」



「へぇ…」
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