お嬢様は恋をしません。
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さっきまで、奏多たちが座っていたところに夏織と座る。




「山森くんって運動神経いいの?」



「そこそこいいと思う」




まだ、赤いままの顔を手で覆いながら山森くんを見つめている。



夏織は中学の頃からの仲だから私の本当の性格も知っているし、砕けた仲だと思う。



私が1番信頼してる子。



今まで彼氏なんかできたことなかったのに、なんか取られてしまった気分。



山森、気にくわないわ。



でも、まぁ、こんなに夏織が嬉しそうに見つめているんだから、いい人なんでしょうね、きっと。



「莉緒、奏多くん上手くない?」




ゲームが始まって早速、奏多は相手チームから打たれたアタックを拾う。



なかなかのスピードで真下に打たれたボールはふわりと上がって、それを山森くんが打ち返した。




「どうなんだろう。



拾うだけなら誰でもできるんじゃないかな」
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