お嬢様は恋をしません。
「でもアタック打った子、うちの学校で1番アタック強い子でしょ?」




「…そうなの?」





奏多って運動神経いいんだ。




そういえば、中学の時にバレー部にめちゃくちゃ強い一年がいるって入学早々噂になってたかしら。



お父様の道場で夜は空手を指導してもらっていたようだし。




コートに入ったボールを後方の子が拾う。




そして、山森くんがトスを上げて、奏多が飛んだ。




そして、エンドラインギリギリに強烈なアタックを打ち込んだ。



体育館に爆音が鳴り響く。



女子の歓喜の悲鳴が騒がしい。




「奏多くん、あんなに上手いのにどうして今バレーしてないんだろうね」




夏織は目を見開いたまま呟く。



すると、突然湊音が私の隣にやってきて座った。




「莉緒ー、俺のこと見てたー?」



「あ、ごめん…見てない」



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