お嬢様は恋をしません。

6

昼休み。



なんとなく、ただなんとなく。




久しぶりに1人になりたくて、湊音も連れずに屋上にきた。



外で1人になることなんてないから、なんか新鮮。




柔らかい風が吹く。




私の長い黒髪が風に流れる。




「ふぅ…」




自然に漏れるため息。




ふと、この間の体育の時間を思い出す。




あの後、試合の終盤で奏多が今までで1番強いアタックを打ち込んだ。



その時、バレー部の子が奏多のアタックに目が慣れてきたのか、ボールを拾えた。



けど、奏多のアタックが強すぎて、変な方向にボールが飛んでしまう。



そのボールが思いっきり私の方に飛んできた。



それも奏多のアタックのスピードを維持したまま。



まぁ、当たり前のように私に直撃。



幸いだったのは湊音が手を伸ばしてくれたおかげで直撃は避けれたものの、足を負傷。



まぁ、歩くのに支障はないけど、当分は体育の授業に参加できない。