お嬢様は恋をしません。
少しイラっとしてしまって素が出てくる。




「いやー…なんか?わかんないんだけど…。




あいつらの中の1人が俺の彼女取ったとか言い出して、手出してくる雰囲気だったから逃げた」





あー…。



タラシだからでしょうね。



まぁ、奏多は見た目もいいし、愛嬌もあるから、幅広くモテてるよね。いろんな層から。




どっちかっていうと可愛い寄りの顔してるけど。





「そんなことより、大丈夫?足…痛くない?」




そう言って私の足元にしゃがみこんで足を触ろうとする。




「大丈夫、気にしないで?」



「ほんとに?今引っ張ったので余計に痛くなっちゃったとか、ない?」




どうしてこんなに過保護なわけ?




「大丈夫だって」




ぺしぺしと奏多を叩くとその手を奏多は掴んだ。



反射的に顔を見上げてしまう。



奏多は凄く心配そうな顔をしていた。
< 65 / 139 >

この作品をシェア

pagetop