お嬢様は恋をしません。
何を勘違いしてるんだか。




莉緒に好かれたら俺の人生が終了を迎えるっていうのに、付き合えるわけない。






…莉緒が恋愛しないことと、この間の涙は関係があるのかな。




まぁ、聞けないけど。





「…奏多は何出るわけ?」




「ん?100メートル走」




「…ふーん」




時雨はそれだけ言うと欠伸をして、俺にもたれかかってきた。




俺、男じゃないからそんなことされてもときめかないんだけど。




「…まあ、応援してる」



「ん。頑張ってくるわ」




丁度放送により100メートル走の選手の収集がかかったので立ち上がる。




ちらっと3組のテントの方をみると、莉緒は水野さんとニコニコとしゃべっている。




とりあえず、何も問題はなさそう。




うちの高校は、保護者のためにイベントごとは校舎を開放するから、変な人が入ってきてもおかしくない。
< 76 / 139 >

この作品をシェア

pagetop