お嬢様は恋をしません。
陸上部の人とか俺見てめちゃくちゃバカにして笑ってるし。




辛い。俺辛いよ?




ふと、周りに耳を傾けると、遠くからは女の子の悲鳴?的なのが聞こえる。




「奏多くん頑張ってーっ!」




「奏多くーんっ!」




なんだろう、他クラスの人が応援してくれてる…。




俺そんなにみっともなく見えてるのかな…。




いや…ここは素直に応援してくれてる優しい子たちだと思おう…。




声のする方に集まる女の子たちに手を振る。




ありがとです。頑張ります。




すると、女の子たちはキャーッと悲鳴をあげた。




お?何?俺アイドル?…思い上がりすぎですね、ごめんなさい。




本当にそんなにみっともなく見えてるのか…。





横のレーンに並ぶ3年生は脚の長い長身の陸上部。





「ちっせ」



「はぁ?」





3年生はこいつには負けねぇだろ、みたいな余裕の笑みで俺を見下ろしてくる。




え、なんか腹立つんだけど。




絶対負けねぇ。
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