お嬢様は恋をしません。
俺には何にもわかんないけど、一つだけわかることがある。




恋愛をしないんじゃなくて、できなくなったんだろう。




その理由はきっと、俺に似ていて、過去に何かがあってしまったんだろうな。





それがずっと心の奥で引っかかっている。







スマホがなった。




俺のだった。




画面を付けると、今、1番見たくない人からの通知だった。




『1位おめでとう。



久しぶりに会わない?』





メッセージにはそう書いてあった。



来てたのかよ…。



ほんと、自分本位なところは変わらない。




俺はスマホをしまった。





「ごめん、もう大丈夫」





スマホをしまったと同時に莉緒は顔を上げて、前髪を整えた。





「そう?無理しないでね?」





と言って、頭をポンポンしてあげると、莉緒は少し顔を赤くして俺を睨み上げた。




「…ばか」
< 83 / 139 >

この作品をシェア

pagetop