お嬢様は恋をしません。
莉緒は黙って、俺の頭に手を置いた。
「…ほんとに、好きだったんだよ」
「うん」
「…でもあいつは、俺より俺の親友を選んだ」
「うん」
「…俺のことなんて、あっさり捨てて。
…なのに今更現れて」
「うん」
「俺…どうすればいいか、わかんないよ」
いままで、誰にも行ったことのなかった本音が、次から次へとこぼれ落ちる。
地面に、シミが出来ていく。
「奏多が本当にしたいことをすればいいよ。
今、思ってること、言ってあげればいいよ」
莉緒の優しい声は胸の奥まで広がって、
ただ、音もせずに染み込んでいった。
夜、家に帰って元カノに───志帆にメッセージを返した。
『次の土曜日、空いてる』
「…ほんとに、好きだったんだよ」
「うん」
「…でもあいつは、俺より俺の親友を選んだ」
「うん」
「…俺のことなんて、あっさり捨てて。
…なのに今更現れて」
「うん」
「俺…どうすればいいか、わかんないよ」
いままで、誰にも行ったことのなかった本音が、次から次へとこぼれ落ちる。
地面に、シミが出来ていく。
「奏多が本当にしたいことをすればいいよ。
今、思ってること、言ってあげればいいよ」
莉緒の優しい声は胸の奥まで広がって、
ただ、音もせずに染み込んでいった。
夜、家に帰って元カノに───志帆にメッセージを返した。
『次の土曜日、空いてる』