お嬢様は恋をしません。
* * *


時は過ぎて、夕食後。



異様なほど広い食堂でシュウさんに見守られながら、西条と2人での食事はめちゃくちゃ食べにくかった。



俺このまま生きていける気がしない。





「さて。これからのお話をしましょう」




西条は足を組んで俺の方を向いた。



そういえば黒いドレスに着替えている。




「シュウ」




西条がそういうと、シュウさんは返事をして、西条の隣に立った。



「高嶋様はこれから、この家の使用人、主に莉緒様の警護をしてもらうことになります。



断られると、面倒なのですが」



「断ったらどうなります?」




ふと、そんな疑問をこぼすと、西条が口を開いた。




西条の口元がニヤリと上がる。
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