お嬢様は恋をしません。
「意味がわかりません」



シュウさんは俺の横に座った。




「今日は、俺と寝るか。



寂しいだろ?」



「…なんで男同士で」



「泣きたいなら慰めてやってもいいぞ?」





俺はシュウさんと寝た。



一晩中、シュウさんの胸で泣き続けた。



男なのに、みっともないなって。



次の日、莉緒はいつもの無表情で俺を送り出した。



家まではシュウさんが送ってくれた。



「…なつかし」



3人で住んでいた時代を思い出す。




ねぇ、俺どうやって生きていこう。



お金も減るばっかりになっちゃったし、自炊もしたことない。



好きだって気づいた女の子に拒否されてクビにされちゃったよ。



辛い、ね。





忙しすぎた日々を失った俺は、夏休み家の中で勉強をして、寝て。


そんな生活を繰り返した。



ときどき学校へ行って、バレー部の部活を見ていた。
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