竜の姫君
 軽々とエルを抱き上げる美青年。
 抱き上げられたエルはうれしげになにか言っている。
 言っているというか。
「ぴゅ、ぴゅう、ぴりゅううう、ぴっ」
 鳥の鳴き声にしか聞こえない。
 それでもさすが同族。
 青年にはエルの言っていることがわかったようだった。
 にこやかにエルにむかって笑いかける。
 うん、間違いない。
 金のふわふわの髪の美幼女を抱いて、微笑む青銀の髪の美しい若者。
 しかも、面差しは似通っている。
 となれば、これはもう微笑ましい親子再会の図としか見えない。

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