オレンジレター

プロローグ

満天の星空の下…
当時五歳の僕は母と一緒に空を見ていた。

「お母さん、お星さまが綺麗だね。」
「そうだね。キラキラしてるね！」

本当に星空は綺麗で、宝箱のようだと僕は思った。
ふと僕は気になったことがあり、母に尋ねた。

「お母さん、天国ってどこにあるの？」
…
「天国はね。この星空のずっーと上にあるんだよ。」
ほー。そうなのか。初めて知った僕は不思議そうに空を見上げた。信じられない気持ちだった。

そんな僕に母はにこっと笑うと言った。
「だからね、もしお母さんが天国に行くことがあったら、星空の上にいるってこと忘れないでね。」
母は言葉を続けた。