オレンジレター
「おつかれさん。」
三藤先輩は僕の前にバッグを置くと言った。
「田野君、そろそろ帰った方がいいと思うんだけど」

見ると周りには僕と三藤先輩しかいなかった。
もう帰ったみたいだ。
そして空は、もうオレンジ色だった。

僕は立ち上がると言った。
「先輩、一緒に帰りませんか?」
「…へ?」
「だって先輩を夜道の中、歩かせるわけにもいかないんで。送っていきますよ。」
先輩は頷いて言った。
「ありがとう。でも送ってもらわなくてもいいよ。だって悪いよ。後輩に…」
「先輩、僕だって男ですから。大丈夫です!」
結局送ることになった。
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