白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「言っとくけど、人事じゃないからね」
「へ?」
「そのターゲットらしいわよ」
「え、誰がですか?」
「あ・ん・た!」
「……ええ!?私ですか!?」
冬月先輩から飛び出したまさかの発言に、持っていたファイルを落としそうになる。
「まあ、芙美は有名人だから手に入れたがっている男は五万といるし、不思議じゃないでしょう」
「いや、でも」
「とにかく!誘われたからってすぐに二人で会うのはダメよ!絶対に!」
「わ、わかりました」
「むしろ既に怪しい男とか周りにいないでしょうね?」
「怪しいって」
「あんたを誑かすような、甘い言葉を吐く男」
甘い言葉……誑かす、若手の社長……女の子にモテそうな……いや、それはないよね。
「え、もしかしているの!?」
「違います!怪しくないです!」
慌てる冬月先輩に、私は素早く否定する。
だって、誘われても食事をしているだけで、色っぽいことなんて起きなくて……まあ、キスはしたけれど、でもそういうのでは絶対にない。