白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
ただちょっと、甘過ぎるだけだ。
「ねえ、待って芙美。まさかあんた、本命が出来た?」
「え?」
「だってそういう顔よ?ついに芙美にも白馬の王子様が現れたの?」
里香に負けないくらいに目を輝かせた冬月先輩に、私は全力で首を横に振る。
「まさか!違います!全然、そんなんじゃないですから」
「怪しい」
「怪しくないです!もし良い人が出来たら先輩にも報告してますよ」
「そう?」
「そうです!」
「まあ、それならそれでいいけど、とにかく寄ってくる男には気をつけなさいよ?」
「はい。ありがとうございます」
「それから来月は合コン付き合ってよ?」
「今月はいいんですか?」
秘書課主催の合コンは、毎月の恒例行事だったりする。
「だって3月は忙しいでしょう?」
「忙しい?」
「ホワイトデーに誕生日。3月の芙美のスケジュールは想像しただけで吐きそうよ」