白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
自分だって、朝まで彼女といたくせに。
「関係あるだろ」
その言葉に顔を上げると、せつなそうに顔を顰めた椿社長の瞳が私を映して揺れた。
「え、椿社長!?」
突然倒れこむように私に近づいた身体を抱き止めると、「悪い」と謝られる。
「大丈夫ですか?気分悪いです?」
触れた身体も、耳にかかる吐息も、全てが熱い。
「少し、立ち眩み」
そう言いながら体勢を整える椿王子に、私の心臓はどうしようもなく騒ぎ出す。
だって、吃驚した。
「あの、ベッドに戻りましょう」
「……うん」
妙に素直な姿に、私はその腕を掴んだ。
「ん?」
「えっと、一緒にベッドまで行きます」
「……」
「また、倒れたら困るので」
上手く顔を見ることが出来ない私に、椿王子の口元が緩んだ気がした。
こんなことでドキドキしてしまう自分が恥ずかしい。