白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
8.悪魔さまの掌中
8.悪魔さまの掌中
一週間なんてあっと言う間だ。
部長から鬼のように渡される大量の仕事に、デスクに張り付くように働いたと思ったら、次の瞬間には会社の外に飛び出して走り回る日々。
もう慣れた忙しさ。
だけどこの時期はそれにプラスして、手帳を埋めるスケジュールの数に溜息を吐く暇さえなくなるから最悪だ。
毎日毎日、仕事を終えると息つく間もなく、お世話になっている企業の重役の方々との食事会に向かう。
土日だって、ゴルフにパーティー。
大袈裟ではなくて、本当に休む暇もない。
悩む暇も立ち止まる暇も、傷つく暇だって、今の私にはない。
会う人会う人に渡される、ホワイトデーと誕生日のプレゼントの数々は、リボンを解く余裕も無いまま部屋を埋めていく。
あの夜のことを、思い出す暇だってないのだ。
「眠い」
午後3時を過ぎた誰も居ない社食で、私は項垂れるようにテーブルに顔を伏せる。
もうB定食しかないと言われたから、仕方なく食べた中華丼でさえ胃にもたれる。
一週間なんてあっと言う間だ。
部長から鬼のように渡される大量の仕事に、デスクに張り付くように働いたと思ったら、次の瞬間には会社の外に飛び出して走り回る日々。
もう慣れた忙しさ。
だけどこの時期はそれにプラスして、手帳を埋めるスケジュールの数に溜息を吐く暇さえなくなるから最悪だ。
毎日毎日、仕事を終えると息つく間もなく、お世話になっている企業の重役の方々との食事会に向かう。
土日だって、ゴルフにパーティー。
大袈裟ではなくて、本当に休む暇もない。
悩む暇も立ち止まる暇も、傷つく暇だって、今の私にはない。
会う人会う人に渡される、ホワイトデーと誕生日のプレゼントの数々は、リボンを解く余裕も無いまま部屋を埋めていく。
あの夜のことを、思い出す暇だってないのだ。
「眠い」
午後3時を過ぎた誰も居ない社食で、私は項垂れるようにテーブルに顔を伏せる。
もうB定食しかないと言われたから、仕方なく食べた中華丼でさえ胃にもたれる。