白馬の悪魔さま 【完】番外編追加

「興奮?」

「僕はSですけど、家崎さんはMですよね」

一瞬、何を言われたのかわからなかった。

「……な、何言ってるのあんた!?」

「安心してください。僕もドが付くレベルだって自覚ありますから」

そういう事は聞いてないし、職場の一角である社員食堂でする話題ではない。しかも、無駄に爽やかな顔で。
だけど、とんでもなくプライベートなことを、悪びれることなく聞いてくるその顔を見て、企画のエースと呼ばれる理由が理解出来た気もした。

「あんたって本当に生意気よね」

「でも、意外といけますよ?」

「何が?」

「仕事と恋愛の両立」

「……」

「里香さんに会いたいと思うだけで、前よりも効率良く仕事が出来るようになりましたし、何より、誰かに愛されると、それだけで自信になるんだなって、里香さんを好きになって知りました。」

爽やかな顔をして真っ黒な男が、まるで私の親友に愛を囁くように話す言葉。

「だから、とことん堕ちるのも悪くないですよ」

やっぱりこの男とは、仲良く出来そうにない。
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