白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「ドレス代を経理に請求したい気分です」
「まあ、そう言わずにさ?明日は誕生日だし、ホワイトデーに素敵な出逢いがあるかもよ?」
「28歳もどうせ私は孤独ですよ」
「またまた~」
「……仕事に生きます」
「お!いいね~」
全然よくない!!
そう心の中で叫びながら、泣き真似をするように両手で顔を覆った時、後輩が私を呼ぶ声がした。
「家崎先輩、里香先輩から内線です!」
「里香から?人事部ってこと?」
里香が内線でかけてくるなんて珍しい。
もしかして、この前話していた新人研修のことで何かあったのかな。
「いえ。それが受付からみたいで」
「受付?」
どうしてわざわざ、そんな場所から掛けてくるのか不思議に思いながら、受話器を取り内線ボタンを押した。
「もしもし、里香?」
「あ!芙美ちゃん、お疲れさま~」
「お疲れさま。何かあった?」
何故か電話の向こうの里香の声はいつも以上に弾んでいる。