白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
つまり、椿社長が会社に来ているってこと!?
今この瞬間、受付に来て、私を呼んでいるって……
「なんで!?」
「え、だから芙美ちゃんに会いにだよ?今からご案内してもいい?」
「ご案内!?」
「だって、ここで待たせるのも失礼でしょう?社長さんなんだから」
それはそうかもしれないけど、そんなの私が困る。
だって心の準備もあるし、だいたい何をしに来たの?
会って何を言われるの?
「ダメ!」
「え?」
「絶対にダメ!今すぐ帰ってもらって!」
「え?え?芙美ちゃん??」
「お願い、里香!一生のお願い!」
「そんなに!?えーっと、どうしようって、わ!」
「里香?何?」
途切れた会話に、不安になりながら声を掛ける。
油断した。
「俺だ」
受話器越しに届いた声に、耳が熱くなった。
きっと息を飲んだ音も聞こえただろう。
「あ、あの……」