白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「そんな勝手なこと言われても無理です!私、あなたが思っているより忙しくて、今日だって夜は予定が入っていて、もう本当に困っちゃうくらい忙しいの!」
「それでも、俺への謝罪に来る時間くらいあるだろ」
不機嫌。イライラしている。怒ってる。
そういうのを隠す気もないような声に、こっちも腹が立ってくる。
「待ってください。謝罪って、まさか私が椿社長にするわけじゃないですよね?だって……え、謝って欲しいのはこっちですよ?あ、それとももしかして謝りに来てくれたんですか?」
「は?」
「それなら、別にもういいですから!」
「お前、さっきから俺に喧嘩売ってるのか?」
「まさか!私はもうあなたみたいな最低な人のこと、何とも思っていませんのでご安心ください!」
「安心って、」
「だいたい職場に来られても困ります」
「なら電話に出ろよ」
「今週になるまで放っておいた人に、そんなこと言われたくありません!」
そう。本当に会いたいと思っていたのなら、もっと早くに来るはずで、まさか一週間ずーっと寝込んでいたなんて言うつもりだろうか。