白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
つまり本命の姫子が最優先で、私は「仕方ない」で片付けられる程度の女ってことを、この男は堂々と言っているのだろうか。遊んで飽きたら捨てる程度の女で、何とも思っていない女だって。
「緊急事態とか、そんなの知りませんよ」
「芙美?」
「なんなんですか?さっきから姫子、姫子って!そんなに本命の彼女が大切なら、私の所になんて来ないで、一生姫子の機嫌を取っていればいいじゃないですか?私はあなたなんていりませんから!だからもう大好きな恋人の所に帰ってください!これ以上私を振り回さないでください!あなたたちお金持ちの遊び道具になる気なんてないですから!」
言い終えた後、息切れがした。
だけどそれは私だけだ。
「あー、そういうことか」
受話器の向こうの男は酷く冷静に言葉を吐く。
もう、本当に最悪。
「椿社長になんて出逢わなければ良かった」
「それって、愛の告白?」
「違います!そういう冗談も聞きたくないです!」
私の気持ちなんて初めから気づいているくせに。
気づいていて、利用したくせに。
「お前の今日の予定ってパーティーだろ?」
「え?」