白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「ジュエリーブランドのパーティー」
おそらくそれは今日の私のスケジュールだ。
「たぶん……そうですけど」
「なら、そこで話そう」
「……えっ!?」
「俺も暇じゃないから、お前と今ここで暢気に電話している時間はない」
「かけてきたのは、そっちでしょう?」
そもそも、私の話を聞いていたのだろうか。
もう会う気も話す気もないのに、どうしてそんな勝手なことばかり言って、まだ私を解放してくれないの?
「とにかく夜に会った時に続きは話そう」
「待って下さい!椿社長も来るんですか?」
「招待状があるからな」
「そ、それなら私、」
「絶対に来い」
「……っ」
「俺に会いに来い」
「それは、」
「芙美、約束だ」
また、そんな声で呼ぶから、頷くことしか出来なくなる。
拒みたいのに、それが出来ない。
「家崎ー、痴話喧嘩なら外でしろよー」
受話器を戻すと、部長の声がオフィス内に響いた。