白馬の悪魔さま 【完】番外編追加

「その辺の男ならともかく、あの椿王子と付き合っているなんて、言ってくれないと困るよ!」

「……え」

突然出てきたその名前に、私は口をマヌケに開けたまま固まった。どういうこと?

「俺らだって、家崎さんが相当遊んでいるって噂に聞いていたから狙っただけで、椿王子の女って知っていたら死んでも手なんて出さないよ」

私が遊んでいる?
狙っていて、椿王子の女?

「こっちは会社潰されそうになったんだから」

「潰されるって、」

「椿王子って言うか、椿グループにだよ!」

「……えっ!?」

「あいつの会社自体はそこまで大きくなくてもさ、あの一族で考えたら日本でトップクラスの大企業なんだから、俺らの会社なんて簡単に潰されるんだよ。マジで怖い」

話が全然見えない。

「とにかく、もう俺に話しかけないでくれる?また目付けられたら今度こそ終わりだよ」

そう言って、顔を真っ青にさせた皆川社長が私の前を足早に去っていく。

「……待って」

だから、どういうこと?
< 133 / 186 >

この作品をシェア

pagetop