白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「人が寝込んでいる間に他の男とホテル行くって、俺が怒らないと思った?」
え、待って。
あの時不機嫌だったのは、私が皆川社長とホテルに行ったことを話したからってこと?
「でもあれは飲み過ぎて、私の意志じゃないです」
「だからそういうところを直せよ?なんでそう簡単に着いて行く?酔っていたから?それで危うく嵌められそうになったなんて笑えないだろ」
「だって、まさか皆川社長がそんな人だなんて知らなくて」
「それがバカだって言ってんだよ。自覚しろよ?お前に寄りつく男なんて大半が碌なこと考えてないんだから」
「そんなこと、」
「本気でお前を想っていたら、酔わせてホテル連れ込もうとしねーよ!何回失敗すれば学習するんだ」
言われて当然だと思う。怒られても仕方ないくらい、自分でもバカな自覚はある。でも、現実は言葉にするほど簡単じゃないし、上手くだっていかない。
「そんなの……椿社長に言われなくてもわかってます!だからいつも後悔してるんです!だけど、毎日仕事仕事で気を張っていたら、ふいに甘えたくなる時が、優しい言葉に流されたくなる時があるんです!それがダメってことぐらい、私だってわかってます!でも、わかっていても強くなれないんです……私みたいな女は、誰かに甘えたいって思っちゃダメですか?」