白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
キャリアウーマンとか出来る女とか、周りはそうやってまるで私が強くて完璧な人間みたいに扱おうとするけれど、実際の私はこんなものだ。強くもないし完璧でもない。
どうしようもない女だ。
「私みたいな女って、まるで自分が完璧な女代表みたいな言い方だな」
「……え、」
「まあ、世間一般的にはそう見えるのかもしれないけど、少しでも一緒に居ればわかるだろ。芙美が本当は臆病で、自信もなくネガティブ。その上自分の気持ちに素直じゃなくて、そういう姿人に見せられなくて、つい無理して一人で抱え込んでパンクしそうになって、だけど必死で踏ん張って完璧な仕事しようとする不器用な人間だって。ちゃんと見ていればわかる。もちろん、ちゃんと仕事が好きなことも」
そんな風に言われたのは初めてだった。
呆れて、怒っているはずの椿王子の言葉が、不思議なほどに私を包んでくれる。
この人を、信じてもいいのだろうか。
「でも男の人はいつも、私が甘えたり弱さを見せたりすると、イメージと違ったってガッカリした顔をします。だから頑張ってちゃんとしようとすると、今度は、君は一人でも生きていけそうだって……そんなこと言われて私はどうすればいいかわかりません」