白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「だからなんだ?そんな話はどうでもいい」
「どうでもよくないです!男の人はいつもいつも自分の理想を押し付けて勝手ばかり言って、私のことなんて見てくれない!!」
「だったら、そんなどうしようもない男共と付き合うのはやめろ。どう見られているとか、考える必要もない」
「そんなの……無理です!私だって誰かに甘えたい!それとも椿社長は、この先誰にも甘えたり頼ったりせずに生きていけって言うんですか?」
「あのな、」
自分でも何を求めてこんなことを言っているのかわからないまま、ただひたすらに駄々をこねる子供みたいに喚く私を見て、椿王子は大きな溜息を零した。
それから大きな二つの手で、私の頬を包んだ。
「だから俺がこうやって甘やかしてるんだろ!いい加減わかれよ、バカ!」
「……え」
「散々優しくして甘やかして、手を出すのも我慢してお前のこと大切にしてるのに、何でわかんないかな」
どうしようもないって顔で私を見つめる男の顔は、この上なく優しくて、怖いくらいに胸が苦しくなった。
「でも、そんなこと今まで」