白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「聞かれなかったからな」
「私はずっと年上かと思って、」
「だから言っただろ?お前が考えていることは大抵勘違いだって」
「ひどい!」と睨めば「どこが?」と返ってくる。
「ずっと敬語で喋っていました」
「別にそれは問題ないだろ。俺、社長だし」
「でも、あなたの部下じゃないです」
「それはそうだな」
「絶対に面白がっていましたよね?」
「ん?」
「私が勘違いして敬語遣っているのも、気づいていて楽しんでいましたよね?」
クスクス笑う目元は意地悪く細められて、私はわざとらしく顔を背けた。
「拗ねるなよ」
「拗ねていません」
頬を掴んだ男が、自分勝手に視線を合わせる。
「仕方ないだろ、芙美が可愛かったんだから」
「理由になっていません」
「勘違いしているのも必死なのも、それに敬語ってなんか興奮するし」
「意味わかりません!」
「敬語で睨む顔とか最高に好きだけど?」