白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「いつも沢山お仕事頂けて、嬉しいくらいですよ」
「そう?君がうちのエースになるのも時間の問題かな」
「部長は褒め上手ですね。それで用件はなんですか?」
わざわざデスクまで出向くなんて、何かあるのだろう。
「ああ!そうなんだよ!実は今度、娘の誕生日なんだが、最近の若い子の趣味がわからなくて」
「なるほど。お嬢さん、何年生でしたか?」
「春から大学に上がるんだ」
「もうそんな年齢になったんですね!おめでとうございます」
「でも最近は父親離れが激しくてね」
照れたように頭を掻く相川部長は、良い父親の顔だ。
「女の子はそういう年頃ですよ。うーん、香水とかはどうですか?」
「ほう。香水か」
「きっと大学生になるから、大人っぽいものに興味があると思います」
「うんうん。いいね。それで、どこの香水が人気かな?」
「部長、少しはご自分で考えてくださいよ!」
「若者の流行には年々疎くなるんだよ」
そんなことを言っている相川部長だけれど、出版社の女性編集長や広告業界のキャリアウーマンたちから食事の誘いが絶たない人気者だったりする。まあ、本人は超のつく愛妻家なので、おかしな心配はないけれど。