白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
本当に、ありえない。
「とりあえず、話しはその時に聞くから。ああ、姫子にはお前から上手く説明しといてよ……ああ、じゃあな」
どうやら電話は終わったらしい。
携帯を置いた椿王子が、私に向き直り、両手で抱きしめる。
「悪い。退屈だった?」
「電話中にああいうことは、どうかと思います」
「気づいてないよ。それに、芙美がして欲しそうな顔で見るから、つい……」
「え、ンンッ」
「したくなった」
離れた唇の隙間で囁いた男が、また私の口を塞ぐ。
昨日よりも甘いキス。
途切れてもまた繰り返されるキス。
「電話、お友達ですか?」
「ああ。幼馴染ってやつ」
「良かったんですか?」
「ん?」
「大事な用があったみたいですけど」
甘いキスを終えた後で聞いてみると、椿王子は思い出したように眉を顰める。
「いいよ。結婚報告なんてふざけた話」
「え、それってその幼馴染さんの、」