白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「そんな話より、俺は芙美と良いことしたいけど?」
「あの、でも、結婚って、」
どう考えても大切な話だし、さっきの電話の会話を纏めると、もしかして、もしかしなくても。
「誰と誰の結婚のお話ですか?」
恐る恐る聞いた私に、椿王子は不満そうに溜息を吐いた後で、渋々といった様子で口を開いた。
「博世と姫子」
姫子ってことはやっぱり……
「妹さんの結婚の報告ってことですか!?」
「その言い方は気に入らない」
不満そうに眉間に皺を寄せた男に唖然とする。
「だって、それってすごく大事な話じゃないですか!それを断ったんですか!?」
「だから、月曜日に聞くから問題ない」
「問題ありますよ!私は帰りますから、ちゃんとお二人の話を聞いてあげてください!」
幼馴染である友人と妹さんの結婚なんて大事なときに、私といる場合ではない。絶対に。
それなのに、どうにも不機嫌な男は子供のようなことを言い始める。
「そもそも俺は許可するつもりないんだから、今日でも月曜日でも変わらない」
「許可って、結婚を反対しているんですか?」